ウェディングスタイルが多様化する中で、リモート挙式のように映像が用いられることも増えてきました。コロナウイルスの影響で海外挙式は特に催行が難しい中、カノンでは色々な道を模索中です。そのような状況で先日学んできたのが“MR”です。VRは広く認知され始めていますが、MRは初めて聞く方が多いのではないでしょうか。
今回は(株)ホロラボ にお邪魔して体験してきたので、多くの人にとって未知の世界“MR”についてお伝えします!
定義に関しては以下のサイトを参照しました。
https://vrinside.jp/news/vr-ar-mr/#MR
VRは「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」と呼ばれます。仮想世界がまるで現実にあるかのような錯覚が生まれます。仮想世界を見ることが出来るVR用のゴーグルはまだ普及率が低いものの、だんだん一般的になってきていますよね。
ゴーグルをつけるなどして完全な仮想世界を見るVRは現実世界が見えない為、誤ってどこかにぶつかったりする危険性がありました。また、乗り物酔いと同じで、視覚からの情報と現実の体の動き・感覚との不一致により、気持ち悪くなってしまう“VR酔い”も解決されていない問題点です。
ARとは「Augmented Reality」の略で、「拡張現実」と呼ばれます。「仮想世界に入り込む」VRに対して、ARは、「CGなどで作った仮想物体を現実世界に反映(拡張)」させます。つまり、スマホなどのARデバイスを通してみることで、現実世界には存在しないモノをあたかも存在しているかのように見せる技術です。(上記サイト引用)
ポケモンGOがARを利用した代表例で、スマホ画面に映る現実世界に映像が浮かび、スマホを見るとまるで目の前にポケモンがいるかのように感じられるゲームです。
歩きスマホをする人が急増し、社会問題を巻き起こすまでに人気となったゲームですね。
MRとは、「Mixed Reality」の略称で、日本語では「複合現実」と呼ばれています。仮想世界の情報を現実世界と重ね合わせて体験できる技術です。
すでに紹介したVRには現実世界が見えない危険性やVR酔いという問題点がありました。しかしMRは現実世界が見えた状態で、「現実世界に仮想世界のものが浮かび上がる」、「その場に物があるように見える」といった技術なので、VRのような危険性はありません。
空間を認知して現実世界に仮想世界を投影するような感じなので、目の前に何か物体を表示させてから歩いた時、その表示がついてくるわけではなく、最初に表示させた場所にとどまります。そのため自分が元の位置に戻ればまた同じ物体を見ることができますし、回り込めばその物体の反対側を見ることも可能です。
上記の技術はそれぞれの特徴を活かし、すでに活用され始めています。
VRは完全に仮想世界に入り込んだように錯覚させる特徴を活かして、建設業の安全教育に利用されているそうです。“ヒヤリハット”と呼ばれるもので、作業中にヒヤリとしたりハッとしたりする状況を事前に体験しておくことで、事故を防ぐ試みです。口頭で説明されて理解したつもりでも、実際に体験しないとその危険性を本当に理解することは難しいですよね。それをどこにいてもリアルに体験できるのがVRの強みです。
ARはやはり先程ご紹介したポケモンGOが代表的です。その他様々な広告に利用されており、サッポロビールの渋谷駅広告も話題となりました。
MRは衝撃的だったあの3.11の震災から復興への手助けをするため、懐かしい景色や液位を再現するという取組みに利用されました。下記URLでその内容をご確認頂けます。
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=13670
そして実際にMRを体験!(株)ホロラボの江口さんに色々とご説明頂き、ゴーグルをかぶって操作をしてみました。
被ると目の前に鍵盤が出てきたり、ボールやボタンが表示されたりします。それを自分の手で触ると実際にピアノを弾いたりボールを持ったりすることが出来るのです。
ちなみに表示されたもののなかで、マグカップは持ってから手を離して地面に落とすと地面を超えて永遠に落ちていく映像が見られます。現実と同じように重力が考えられているという事です。設定次第で地面を認識してぶつかった瞬間に割れる、といった見せ方もできるようです。
こちらは遠方にいる他のスタッフさんとテレビ電話をしているところです。わかりにくいのですが、丸で囲まれているところにスタッフさんが映っています。スクリーンに映っているのがゴーグルで見えている映像です。
相手の前にはカメラが置いてあり立体的に見えていますが、今回はこちらに専用カメラを置いていなかったため、私の姿は相手に見えていない状態です。
このように、遠方にいる人ともまるで目の前にいるかのように話せるのが今のMRの技術です。
ただ、実際にやってみないとこの驚きや凄さは分からないですね…。空間を認識して、仮想世界のものを自分の手で動かせる、とても未来を感じる体験でした。
体験してみて衝撃を受けたのは本当ですが、ウェディングの現場で使用するには課題がありそうです。第一にあの大きなゴーグルを付けなくてはいけないので、つけている人の顔が見えなくなってしまいます。それに女性は髪型が崩れたりメイクが取れないか心配になったりするので、美しさにこだわる方も多いウェディングに利用するのは難しそう…。
画質やどんな人でも利用できるユーザビリティの向上がMR機器・技術の普及に繋がりそうです。
とはいえ、この驚きを多くの人と共有出来たら楽しそう!と単純に思うので、実用化が進めば面白いですね。